中川先生の「ためになる話」

今回(4回目)は、「運」についての"ためになる"話です。
特に「運」に頼りがちな人にとってはとても"ためになる"話ではないでしょうか?

「運」を信じてはいけない

 やっと涼しくなってきましたね、さあラストスパートですよ!なんていうと、まだ夏バテも癒えてないのにとこぼす人もいるかもしれません。でもね、この時期を逃すと、また寒くなって頭が凍えてまた能率が下がるかもしれません。つまり今しなければ勉強する時期なんて金輪際ありませんよ。
 
さて、今回は「運」について書いてみます。確かに宝くじが3億円当たる幸運な人もいれば、階段でつまずいて足を骨折する
不運な人もいます。でも、日常的には誰もが、ついてる時もあればついてない時もあるわけで、調べてみると案外均一なんです。
それは当たり前のことで確率論的にしか物事は起こらないわけです。
ところが人間というのは案外信心深い動物でね、自分は不運の人だとか、強運の星の下に生まれてきたなんて与太話を信じてしまうようです。
アメリカのある心理学者が面白い実験をしました。自分は運がいいと信じている学生100人、自分は不運だと信じている学生100人を連れてきて、「昨日にあったことを思い出して、ついてた事柄ついてなかった事柄を全部書きなさい」という課題を与えたそうです。その結果を詳細に分析した結果、両群に差はなかったのだそうです。そんなの当たり前のことですよね。
でもね、面白いのは両群で思い出す順序に差があったと言うことなんです。
つまり運がいいと思っている学生はいいこと(ついてた事柄)から順番に思い出すのですが、運が悪いと思っている学生は悪いこと(ついてなかった事柄)から順番に思い出すのだそうです。要するに自分はついてると信じている人は、うまくいった事柄ばかりに注意が行き、自分はついてないと信じている学生は悪かったことばかりに気が行くようです。どちらの群も真実からは遠く離れています。要するに「運」 なんて存在しないんです。
「運」というものがあると信じている人が多いだけの話なんです。
「運」を頼りに試験を受けるとか、 「運」を天にまかせて生きる人がいますが、ユメユメ皆さんはそんなお伽話に乗ってはいけません。物事は確率論的にしか起こりません。準備を整えておけば成功する確率は上がるし、遊びほうけていればひどい目に遭う確率が増加します。まあ、何が成功でなにが失敗かということになると、なかなか難しいですけどね。人生を終えるときになって始めて分かることかもしれない・・ぼくの人生も今のところ五分々々です。

顧問医師:中川 晶
平成21年9月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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