中川先生の「ためになる話」

9月になると

9月になると さて、後半がそろそろ始まっている頃ですね。こんな時期は焦りとの戦いです。
 ぼくのところに通院してこられる患者さんにも焦りがあります。絶対に失敗できない場面を想定して、焦り、緊張のあまり息苦しくなったりお腹が痛くなったりします。そのため余計に焦り悪循環で症状はどんどん強くなります。
 ぼくはそんな時、たまには薬も処方しますが、ほとんどの場合は話しをするだけです。普段の会話でも「絶対に」というフレーズはよく使われますが、厳密には「絶対」ということは現実世界ではあり得ません。あり得ないことを求めるから焦りが出てきます。実際には、やれることしか出来ません。出来ないことは、やっぱり出来ないのです。
 当たり前のことなのですが、患者さんは「先生の言うことは理解できます。それでも私はやらねばならないのです」と苦しそうにつぶやきます。悲壮な覚悟です。未来のことは混沌としています。でもね、でも一つだけ確かなことがあります。出来ることを今やっとかないと後悔する可能性が高いということです。

 「人事を尽くして天命を待つ」という諺があります。これからどうなるかは「神のみぞ知る」です。つまり出来ることはやって、結果については天の関与することだから、自分には関わりないと考えるのはいかがでしょうか?
 自分は自分に出来ることを淡々とやることだけでいいのです。このアドバイスは受験生の皆さんにも贈りたいと思います。実はぼくも、この諺で助けられたことが幾度もありました。

顧問医師:中川 晶
平成28年9月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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