中川先生の「ためになる話」

五月病を乗り切る

 昔から五月病と呼ばれる症状があります。大抵は大学生、しかも一年生に発生しやすいと言われています。
基本的には軽いうつ病なのですが、せっかく難関を突破して志望の大学に入れたのに、何故にうつ病なのでしょうか?
うつ病はストレス状況ばかりで起こるのではなく、「荷下ろしうつ病」とか「昇進うつ病」という名前のとおり、いい状況でも起こります。ずっと続いたストレス状態から一挙に解放されると、やることがなくなりうつ状態になると説明されています。人間ってやっかいな動物ですね。つまりは適度な緊張感と外からの圧力ではなく、自発的に何かを追い求めていくという適度な緊張が心身に良い状態なのです。
また何故五月なのかというと、四月は持ち続けていた緊張がゴールデンウィークで一挙に解けてしまうからなのでしょう。

 皆さんは受験生なので、無関係というわけにはいきません。何故かというと三月の不合格からやっと立ち直って、来年こそはという決意とともに始まった四月も、次第に予備校生生活にも少し慣れてきたところに大型連休が来ると、リズムが狂ってしまいます。また以前の、のんびりムードに戻っていませんか?
先にも書いたように、外からの圧力ではなく自発的に先の先を見据えて、心身の調子を整えましょう。
受験勉強はマラソンのようなものです。大型連休後の今がひとつの難所です。皆さんが無事乗り切られることを祈っています。

顧問医師:中川 晶
平成28年5月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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