中川先生の「ためになる話」

梅雨は憂鬱?

気がつくともう夏、教師にとっては毎年のくり返しだけど、受験生にとっては一生に一度の乗り越えるべき季節に違いありません。ぼく自身が教師と医者の二足のワラジを履いてるせいか、この季節は学生の病気 が気にかかります。

 ぼんやり見てると皆一様に一生懸命なのですが・・・医者の目でよく観察してみると、それぞれに悩みを抱えてるのがよく分かります。よく目につくのが劣等感に打ちひしがれてる学生。投げやりな態度で授業に出てくるのですぐ分かります。最近はこの手の子が多いんですけどね。「どうせ、ぼくなんか落ちこぼれだもん」とか「私は今頃大学に合格してたはずなのに」なんて心の声が聞こえてきそう。そのうちズル休みが始まって、授業に出なくなってくると危ないんです。何をやっても楽しくなくて、憂鬱な気分で一日中部屋でゴロゴロとなると、うつ病に発展しかねません。でもねえ、そもそも劣等感というのがナンセンスなんです。世界の大学ランキングでいえば、関西の私立大学はどれも200位にさえ入ってないんですよ。ま、どこもドングリの背比べのようなものなんです。大学の看板なんてね、この時代あまり役に立ちません。

大事なのは資格をきちんと取っておくことなんです。医師、歯科医師、薬剤師、獣医師そのほか、皆さんの目指している資格は将来きっと役に立つでしょう。しかし、いまは勉強をしっかりすることが大事なんです、そのコツを今日は伝授しましょうか。

まず授業を楽しんでしまうことです。授業だって、よく聞くと面白いんですよ。え?つまらないってですか。困りましたね。それではとっておきの秘策を教えましょう。「遊び」と「仕事」の違いは何だと思いますか?例えば、パチンコは大抵の人にとっては遊びですが、プロになるとパチンコ台の前に長時間座らねばなりません。肩は凝るし、眼精疲労も相当なものです。結構苦しそうですよ。酒席だって同じこと。同じ酒を飲み同じ料理を食べてるのに、接待される側は楽しくて、接待する側にとっては窮屈で苦しい「仕事」なんです。何故だと思います?答えは意識の持ち方なんです。「仕事」だと意識すれば苦しいし、「遊び」にしてしまえば楽しめます。学生にとっての仕事は勉強に当たるかな。とすれば、勉強を遊びに変えてしまえばいいんです。これって割合簡単なんですよ。授業の内容を自分の興味と結びつけるだけなんです。もし恋愛で悩んでたら、生物学の授業を受けてごらんなさい。卵子の数と精子の数の違いが恋愛におけるの男女の行動の違いを生み出してることが分かるでしょう。親とうまく行かないことに悩んでたら、古今東西の文学を探してごらんなさい。解決のヒントを得られると同時に受験や将来の仕事に必須の国語力が身につくでしょう。要するに、自分の問題と関連づけて勉強を楽しんでしまうのがコツです。一度、お試しあれ。

顧問医師:中川 晶
平成21年6月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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