中川先生の「ためになる話」

「不安」について

「不安」について 今回お話しようと思っているのは、「不安」についてです。

 実は先日、朝日放送「おはよう朝日 土曜日です」に出演して「新生活の不安」という特集コーナーでお話ししてきたところなのですが、考えてみると、皆さんの新生活も不安が高いだろうと思います。予備校には入ったものの、来年合格しなかったらどうしようとか、この一年勉強ばかりの生活が耐えられるだろうかとか。そこで、テレビでお話ししたことを話してみようと思います。

 不安が高くなると、どんな症状が現れるかというと「不眠、イライラ、パニック」などです。まず不眠については、眠ろうとすればするほど眠れなくなるという悪循環に陥りやすいものです。不眠気味の人は、逆をやってみるのもいいでしょう。つまり「とてつもなく眠くなるまでは決して、目を閉じてはいけない」と自分に言い聞かせることで、かえって眠りやすくなります。またイライラは不確実な状況にさらされると、陥りやすい症状です。スポーツ選手がよくやるルーティンを利用するのも一方法です。ルーティンというのは、ラグビーの五郎丸選手が何か祈るような印を結ぶような仕草をすることで有名になりましたが、野球のイチロー選手がバッターボックスに立ったときに行う、バットを左手でかかげ、右手で左腕の袖を上にひっぱるような仕草など、何気ない動作ですが、いつもその動作をやることで落ち着きを取り戻せるのだと言います。皆さんも試験前とか、ここ一番と言うときのルーティンを作ってみるのはいかがでしょうか?

 最後に、不安が高じると息苦しくなる、冷や汗が出る、脈が早くなるなど、パニック発作まで起こることもあります。ここまできたら、早めに心療内科に相談するのもいいと思います。でも、そこまでいかないならば、普段から心構えをしておくことも良いと思います。つまり、開きなおることが肝心です。人の噂も75日、物事はなるようにしかならない、人生に一大事などそうザラにあることではありません。要するに、人事を尽くして、あとは天命にまかせましょう。それでは健闘を祈ります。グッドラック。

顧問医師:中川 晶
平成30年4月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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