中川先生の「ためになる話」

六月病?

六月病? 正式には六月病というのはありませんが、長い間 心療内科の外来をやってきて、若い人の五月病が遷延して六月になっても治らないどころか病状が悪化するという例をみてきました。

 まずは五月病というのは、四月に新しい生活に入って、やっと慣れ始めた頃に長い連休があってその間に生活リズムが崩れ、連休が終わっても調子が戻らず、気分が沈んだり、やる気がなくなったりすることです。普通は連休後二週間もすれば改善されるのですが、六月まで持ち越すどころか、更にやる気が落ち、気分も暗くなってしまう人のことを、あえて六月病と呼ぼうと思います。梅雨の時期でもあり、気分の滅入りに拍車がかかります。こんな時は、やる気を上げる工夫が必要です。例えば、自分の志望校に見学に行ってみることもいいです。新入生みたいな顔で先輩方に「図書館はどこですか?」など話しかけるのもモティベーションが上がります。え!先輩からは逆に話しかけられたらどうしようって?その時は胸を張って「来年、新入生になる予定の誰それです」と答えましょう。自分の大学に憧れてやってきた後輩に冷たくする先輩はまず居ませんので安心していいですよ。

 また、気分の落ちる時は軽い運動もいい効果が出ます。ぼくの親友の医師はある大学を中退し、一年間勉強して見事に国立大学医学部に合格しました。合格の秘訣を聞いたら、彼はまず毎日30分走ったこと、と答えました。運動するとネガティブな気持ちが改善することは医学的にも証明されています。他にもいろいろ工夫があると思います。自分に合った方法で六月病の危機を乗り切ってください。

顧問医師:中川 晶
令和元年6月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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