中川先生の「ためになる話」

食欲の秋

食欲の秋 暑い夏場は食欲が落ちることが多いのですが、その反動のように秋になると食欲がムクムク湧いてきて、つい過食状態に陥ることが多いようです。今回は内臓脂肪の話です。

 腹囲が男性で85センチ、女性では90センチ以上で、脂質、血圧、血糖のうち二つ以上の項目が基準値を超えていたらメタボと診断されます。受験生は運動が不足になりがちなので注意する必要があります。現在、男性の2人に1人、女性の5人に1人はメタボということになります。腹囲は内臓脂肪を反映することが多く、やっぱり中年男のぽっこりお腹のイメージが浮かぶかも知れませんが、隠れメタボと呼ばれ見かけはそれほどでもないが実は内臓脂肪肥満は女性が男性の1.4倍もあります。若いからといって油断は禁物です。飽食の時代に内臓脂肪肥満は深刻な影響を及ぼします。最近の研究では日本人男性は内臓脂肪が白人、黒人よりかなり多いことが分かってきました。要するに欧米型の食事をしていると白人はそれほどでもないのに、日本人は内臓脂肪がつきやすいのです。内臓脂肪が困るのは見た目の悪さだけではありません。内臓脂肪の蓄積は糖尿病、便秘、腰痛、骨粗鬆症、生理不順、逆流性食道炎、不妊、癌の温床になります。

 それぞれのメカニズムに触れている時間はありませんが、とにかく内臓脂肪の減少が健康の鍵かもしれません。先ほど内臓脂肪が日本人に多いことを述べましたが、これは遺伝的なものでどうしようもないかというと、そうでもありません。昔の日本人は案外スリムで内臓脂肪は少なかったと考えられています。欧米型の食事が一般化しているにもかかわらず、身体は1万年もかかって日本人なのです。白人は1万年かけて、あの欧米型の食事に辿り着いています。つまりは同じ食事をしていることが問題なのです。和食が世界遺産になっていますが、日本人にとってやはり和食が遺伝子のレベルで身体にあっているといえます。

 たまにはフレンチ、イタリアンもいいですが、基本は和食にしていくことで、確実に内臓脂肪は減ります。内臓脂肪はいったんついたら取れないという俗説がありますが、内臓脂肪は最も燃焼しやすいので、運動と食事で確実に効果が出ます。お試しください。

顧問医師:中川 晶
平成30年9月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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